研究者って自称ギタリストと何が違うの?

クソ田舎助教から、政令指定都市に逃亡しました

岡山大学の問題と、中四国の大学の問題について

岡山大学がえらいことになっています。
一般企業に例えて端的に言うと、内部告発した部長が、社長主導で会社から追放された、という事態が起きたようです。


詳しくはここから見てください。
togetter.com

事実であれば、研究科長が研究科内の不正等を見つけたので、処分を行おうと公にしたら、不正等を告発した研究科長が逆になぜかクビになったということです。




内情は全くわからないので何とも言えませんが、真実ならばあってはならないことです。

今から少しだけ憶測でものを言います。
ひとりの末端私大の助教の妄言なので、真に受けないでくださいね。




スーパーグローバル大学というのはご存知でしょうか。
スーパーグローバル大学 - Wikipedia
wikipedia からまるまるコピペすると、

スーパーグローバル大学(スーパーグローバルだいがく)とは、日本国外の大学との連携などを通じて、徹底した国際化を進めて、世界レベルの教育研究を行う「グローバル大学」を重点支援するために2014年(平成26年)に文部科学省が創設した事業であり、支援対象となる大学。
全国30校程度を指定し、大学教育のグローバル化を進めて、日本の大学の国際競争力の向上を進め、グローバルな舞台で活躍できる人材の育てることを目的にしている。日本学術振興会が委員会を設け、この事業に関する審査・評価を実施する。

とのことです。


で、この中でもさらに、
トップ型牽引型という 2 タイプがあります。
中身は次の通り。

トップ型 :世界大学ランキングのトップ100を狙う実力がある、世界レベルの研究を行う大学

グローバル化牽引型:これまでの実績を基に、新たな取り組みに挑戦し、日本のグローバル化を牽引する大学


つまり、トップ型に選ばれた大学だけ、超一流大学として文科省は特別待遇しますよ、牽引型は二番手で我慢してね、という区別です。


見てみるとトップ型
北海道大学東北大学筑波大学東京大学東京医科歯科大学東京工業大学名古屋大学京都大学大阪大学広島大学九州大学慶應義塾大学早稲田大学
という、旧帝大 + 一流研究大学になっています。

なのですが、よく見ると、広島大学だけ少々、何で?と思わざるを得ません。
牽引型は二番手集団とは言っても、旧制高校ナンバースクールを前身とした名門国立大、金沢大学や熊本大学が入っていますし、MARCH や関関同立など、一応高学歴と言える大学が名前を連ねています。
問題の岡山大学も、旧制第六高校を前身とし、こちらに選ばれています。
高等師範学校や文理科大学を前身に持つ広島大学ももちろん名門ですが、どちらかと言えばこちらの仲間のような印象を受けます。


ここでひとつポイントとして、中四国には旧帝国大学がないということがあります。
旧帝大があれば文句なしにそこがトップ型になるわけですが、旧帝大がない中四国でも、地理的なことを考えて無理やり(?)トップ型を選びたい。
しかし、中四国実質、広島大学岡山大学の一騎打ちの様相になっています。
歴史、偏差値、実力、もろもろ合わせても、この 2 大学に明らかな優劣はありません
ちょうど、早稲田と慶応はどっちが上か?みたいなもんだと思ってくれたらよいと思います。
東大と京大はどっちが上か?よりも差のない話です。


しかし、地理的といいますか、都市規模や人口としては、明らかに岡山県より広島県のほうが上です。
もちろん、四国へのアクセスは岡山が良いとか、平地面積は岡山のほうが広いとか、街の中心部にある大学の立地は岡大のほうがいい (広大は田舎過ぎる) とか、利点はもちろん岡山にもあります。
しかし、将来的に道州制が導入されることを想定しても、中四国の拠点は広島にするということに疑問を持つ人はそれほど多くはないはずです。
東西の大都市、大阪神戸と福岡の間、という距離感を考えても、広島がちょうどいい位置ですしね。
岡山は関西に近すぎます。


もちろんそれだけが理由ではないと思いますが、おそらく立地のせいが大きな差となって (神戸大や一橋大が落ちているのも、立地重視を想像させる)、明らかな優劣のない 2 大学のうち、岡大が負けて、広大だけが政府のお墨付きをもらった、という見方ができるというのが、現在の中四国の大学の様相と言えると僕は思っています。


そりゃ岡大は焦りますよ。
いまは広大の後塵を拝してしまったけれど、次は岡大が覇権を取り返す、大学としてはそう考えていることだろうと思います。



このスーパーグローバル大学の決定が 2014 年ですが、選定作業はその 1, 2 年前から、つまり 2012 年頃からは進んでいたはずです。
時系列を見ると最初の告発も 2012 年のようです。
大学としてはトップ型に選ばれるのか選ばれないのかの、きわめてデリケートな時期だったと想像できます。

そして 2014 年の発表後も、広大を抜き返すためには少しの汚点も見せられない。




そこで現れてきた研究不正問題。
こんなのでイメージを落としてしまったんじゃ、広大を抜き返す日はもう永遠に来なくなるのではないか。
今は絶対にそんなことになってはならない。
そう思うと、内部告発した研究科長にどういう扱いが待っているか?



本来ならば、森山先生、榎本先生がされたように、問題を根本から解決し、どこからつつかれても問題のない体制で真正面からいい研究をして、実力で広大に差をつけるべきです。
しかし、一時的なイメージダウンが命取りと焦ってしまうと、恥部を公にする教授は黙らせるしかない、という判断が出てくる可能性もあります。




まあ、上記は妄言です。
ですが、もし森山先生・榎本先生に正義があり、現在報じられている内容が事実であるならば、通常の大学では考えられないような事態がなぜ起きているのか、と考えると、このような背景にも、思いが至った、というわけです。

はい、妄言でした!