所見を求めることができる研究者って
教員公募、推薦者の推薦書ならわかりますが、「所見を求めることができる研究者」ってのがありますよね。
あれってどういう扱いで、いつ誰に調査が入るの? と疑問に思います。
最近、元ボスに電話して、移籍する話をしたら大変驚かれました。
当然調査は入っているものと思っていたのですが…
どうやら調査は入っていなかったようです。
「所見を求めることができる研究者」筆頭だったのですが。
前も書きましたように、私と深いつながりのあった他の先生に調査が入っていたことは明らかなのですが、この先生は「所見を求めることができる研究者」としてはあげていませんでした。
となると、こういう「所見を求めることができる研究者」みたいなものは完全に無視して、聞きやすい人がいればその人に聞くってこともあり得るんですね。
おそろしや。
今までの 2 回の経験です。
現職も、春からの移籍先も、ちゃんと誰かに調査は入っていました。
二回とも、調査があったよ、のようなことをにおわされます。
一度は面接に呼ばれた後、シンポジウムで元ボスと顔を合わせた時、
「この前調査が入ったよ」と言われました。
次は (今回は) 面接に呼ばれてすらいない段階のときに、メールでやりとりしているとそのようなニュアンスをにおわされました。
「え? え? なんで応募したの知ってるの?
てか調査が入ったの? 俺面接呼んでもらえるの?」
的な軽いパニックが数日ありました。
面接呼ばれるまで落ち着かないよ…
ほんと、色々気が抜けないですよね。
都市部の大学への受験生の一極集中?
ネットがこれだけ広がったのは最近というほど新しくはありませんが、ほとんどの高校生がスマホを持ち、ツイッターやラインをやり、となったのは最近だと思う。
スマホの爆発的普及からは 3 年ほど、と言ったところ。
そうすると何が起きるかって、情報の画一化が起こる。
どうしたって起こる。
地方の私立大学でも、そのエリアではかなりの知名度を誇る大学、というのは今まではあった。
受験生は周囲の大人たち、先輩たちの評判を聞いて、「ああ、そこそこいい大学なんだな」とか思って安心して受けていたはず。
しかしこれだけ高校生にとってネットが身近になると、つい地方高校生もネットで聞いてしまう。
「○○大学って評判どうですか? F ランですか?」
すると、人口分布から言って、関東の都市部のやつがそれに解答することになる。
「○○大学? 東京じゃ聞いたことありません。どうせ F ランでしょう」
いや、聞いたことないなら黙ってろよ!!!
とか思うけど、なぜか答えちゃうのがネット。
就活のしやすさから言っても、「地元でかなり有名で立派な研究をやっている大学」より、「東京の中堅大学」のほうが、なぜかネット上でいい評判になってしまう。
結果、何が起きるかって、東京への一極集中が起きる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
↑ここまで、俺が妄想した仮説
代ゼミの過去の偏差値表を見つつ、検証してみた。
資料はこちら。
http://www.geocities.jp/gakurekidata/yozemi.html
都市部っぽい偏差値 50 程度大学として、
千葉工大と大阪工大、
地方っぽい同格の大学として、
金沢工大と崇城大、
の偏差値推移を調べてみた。
結果、わかったこと。
いずれの大学も偏差値は上昇傾向にあった。
さらに、都市部の大学は昔っから偏差値高め、地方は低め、ってなっていた。
さらに、どうしようもない F ランは、都市部に多めでした。
つまり、
「地方の大学の偏差値がここ数年で急落した、ということはない」
しかし、地方私大のほうはどちらも 2 教科受験になっていました。
受験科目数が少なければ、しぼって勉強できるので当然偏差値は上目にでます。
あと、推薦とかを増やして、一般受験でとる人数を減らしても、偏差値は上目にでます。
つまり、本当のところは僕の仮説のような事態は起きているのかもしれません。
起きているけど、偏差値表にあらわれないような工夫をしている、というだけなのかもしれません。
結局、偏差値って、大学の人気度を決めるものでも、大学の格をきめるものでもないし、偏差値表だけじゃ結局よくわからんな、、、、というのが感想でした。
微妙な結果ですみません。。。
教員公募、内定をもらって思うこと
先日書きましたように、内定をいただきました。
公募でポストを勝ち取って思うことを、ちらちら書こうと思います。
( 現職ついてから書いた、
パーマネント獲得へ - 研究者って自称ギタリストと何が違うの?
も参考までに)
ガチ公募? コネ公募?
今回の公募もコネ公募ではなく、JREC-IN を見て応募したガチ公募でした。
しかし、応募してからわかったことでしたが、受け入れ先の教授の先生は、私と深いつながりのある先生と、かつて同じ研究室にいたことがあったそうです。
常にシンポジウムで顔を合わすような先生ならたいてい知っているわけですが、現在の互いの研究がそこまで似ているとは限らず、意外な接点というのは把握しきれません。
今回はその深いつながりの先生の名前を「所見がもとめられる研究者」として挙げたわけではなかったのですが、ちゃんとその先生にも調査が入っていました。
なので、応募した私としては完全なガチ公募ではあったのですが、採用側や上のほうの先生たちの間で様々な思惑 (コネ的な側面) が本当になかったのかと言えば、どうなのかなあ、という印象は持っています。
(もちろん、実際にあったことは不明ですし、どの程度考慮されたのか、全く考慮されてないのか、不明です。ただし、不正なことは絶対ありませんし、行われたことは通常の人物照会の範囲なはずです。
雇う側として、つながりのある人のほうが安心するのは当たり前、というだけの話です。これも広義で言えばコネの一種と言えなくもないでしょう、という意味です)
「コネも実力のうち」と言われることもありますが、本当にそれに近い話で、さらに「コネも運のうち」とも言えるんじゃないかなと思いました。
というのは、コネというのは自分で把握できるようなものだけではないからです。
自分のコネだけでなく周囲の人間のコネも大いに関係あります。
雇う側として、身元が確かな人のほうが安心するのは自明です。
「少々頭がおかしくても人格が破綻してても、研究者として抜群な人を採りたい」という人事も、横綱級の大学・研究所や、時限付きプロジェクトならたくさんあるでしょうが、地方私大などになると、人物評価や教育力の評価が重視されるのも必然かな、と思います。
これは妄想ですが。
私が公募書類を発送したのは、公募開始からすぐでした。
1 か月か 2 か月かあった公募期間の中で、最初の 1 週間くらいで発送しました。
知り合いの知り合いが早めに書類を送ってきたので、その時点で採用する方向で動き始めた? とかはあるのかしら? とか妄想しないではないです。
信頼できる派閥の人とか興味を引く人とかからの応募がなければ、公募側は期間後半になって、
「誰かいい人いたら、公募出すように言ってもらえませんか?」
のように、信頼できる先生などに対しアプローチし始める、ということも考えられます。
そうなっていれば、一本釣りに近い形の公募に変化していて、僕なんかは門前払いになっていた可能性もあります。
まあ、妄想なんでわかりません。
書類をいつ出すか、も、コネ的な側面ではひとつファクターになりえるのかもしれません。
妄想です。
一本釣りのようなコネ公募については、僕は知らないので言及しません。
そういう人は一部のごく優秀な人だけの話なので、僕には関係のない話です。
そういう公募の当て馬にされるのは、ひどい話ですよね。
研究実績、優秀さは?
当たり前ですが、優秀であればあるほど良いです。
研究業績もあればあるほど良いです。
それは当然として、の話です。
優秀であるからと言って必ず決まるわけではなく、研究実績が一番あるからと言って必ず決まるわけでもまたありません。
たとえば、「講師・准教授」を募集している公募のとき、研究実績だけで言えば准教授相当の人が勝つに決まってるわけですが、実際には講師が採用されることもあります。
つまり、採りたいと思った人が、准教授相当ではなく講師相当の研究実績だった、ということになります。
こういうのは、ここで言わなくてもみんな知っていると思います。
やはり研究が全て、と言えるような東大クラスの大学に近づくほどに研究実績・実力重視 (人物を軽視するとは言っていない)、私大や地方大になるほど人物・教育力重視 (研究実績・実力を軽視するとは言っていない) になるのでしょう。
なので、まずは研究実績をできるだけあげて、実力を出来る限りつける、というのが正解です。
しかし、それだけで勝負できない人は何をすべきかというと、もちろん下記の通りです。
- 人物評価を高く保つこと
- 教育実績をつけること
- 人脈 (いい評価をしてくれる人) を広げること
これにつきるんじゃないでしょうか。
教育歴は?
上に書いたこととかぶりますが。
偏差値の低い学生が在籍するところほど、教育歴を見られます。
偏差値の高い学生には、週一でアドバイスしとけば研究室はまわりますが、偏差値の低い学生ほど研究への情熱もなく基礎知識もないため、つきっきりの指導が必要になるからです。
「こいつ、研究は優秀そうだけど、アホ学生の指導とかやらなそうだな、現状に不満ばっか言って何も動かなそう、つまり、うちの大学では使えなさそう」
のように思われると、敬遠されることもあり得ます。
優秀さが不利になるわけではなく、教育しなさそう、が不利になるということです。
「アホ学生の指導もちゃんとやってくれそうだし、研究面でもとびきり優秀そう!」ならもちろん完璧ですが。
しかし、教育職に就くために教育歴がいる? というパラドックス。
最初の教育歴をどうやってつけるかが悩ましい点でしょう。
ネットでは、非常勤講師なんかがお勧めのように書かれています。
しかし、理系のポスドクが非常勤講師なんかにはなかなか行きづらいもの。
それならいっそ、若さで押し切れるうちに着任できるチャンスがある「F ラン私大教員」「高専教員」「短大教員」なんかに、さくっとなってしまうのもひとつです。
研究環境が劣悪になるので、脱出に手間取ると研究実績の面で不利になりますが、パーマネントであっても、最初からそれを捨てる気で、「2 年でやめてやる!」くらいな気持ちで着任すれば、悪くないんじゃないでしょうか。
いつでもポスドクに戻ればよいのです。
そういう意味では、現在 F ラン私大に勤めている方、高専で勤めている方は、その苦い経験、教育経験を評価してくれるところが必ずあります。
ひとつの武器と思っていいはずです。
私も 3 月いっぱいで退職するまでは、やばいところに在籍するわけですが、現職で教育歴をつけられたことが、かなりプラスに働いた感覚はあります。
今が劣悪な環境なんで、教育だけでなく雑用もしっかりやりますアピールにもなりました。
面接官「うちは雑用もおおいよー?」
俺「大丈夫です、うちはこんなことまでしなきゃいけないんです!」
面接官「あー、さすがにうちはそこまでじゃないわー(笑」
といったやりとりがあったくらい。
また、最近では旧帝大クラスでも、教育力をおろそかにしてはいけない、って流れになってきているようです。
もちろん、旧帝大クラスを狙うならば、F ランや高専に寄り道をするのは得策ではないと思います。
しかし、いずれにしても、教育歴はないよりあるべきです。
年齢は?
現職でいうと、30 歳後半で助教で着任してくる先生もいます。
そりゃ同等であれば若いほうがいいです。
若さは間違いなく魅力です。
しかし、35 歳を超えたからと言っても、満たすものを満たしておけば、必ず決まるチャンスはあると思います。
が、若さがない分、何かで勝負できるポイントを作っておかなければ、勝負できないのは当たり前です。
学科の年齢分布も、大きなポイントになるので、応募前に確認しておくと期待度はある程度わかるかも?
分野のマッチング
やっぱり一番気にされるかなと思います。
バッチリあっていればあっているほどいいです。
しかし、「ここで求められる研究と、今までしてきた研究は、根っこのところの研究手法が一緒で、ターゲットが違うだけだ」のような説明ができれば、多少違っていてもクリアーはできます。
今回は、わりとそんな感じだったので、ちょっとつっこまれました。
例えて言うなら、「A という対象物を X という手法で研究する」というのが僕の経歴だったので、A の専門家と見られがちなのですが、先方は A ではなく B の研究をやってほしかったようです。
しかし、「僕は A ではなく X の専門家なんで、A に愛着はあるけどこだわりはありません、B に対して X します!」
といって納得してもらえました。
が、ガチガチのガチ公募なら、かなり不利になる要素ですね。
学科内での、教員同士の得意分野の分布、と言いますか、なるべく広い範囲をカバーできるように教員採用を行うので、同一分野の先生が学科内にいた場合、かなり不利になると言えます。
結局、決め手になるのは?
正直に言います。
運です。
完全に運です。
自分の能力、実績が足きりに引っかからないのは前提としても、
- つながりがわずかでもある公募が出るか?
- 分野のマッチした公募が出るか?
- 求められる年齢のマッチした公募が出るか?
- 教育歴をどの程度求められている公募なのか?
というところは、完全に運です。
勝負できるような条件の公募が出ないことには始まりません。
言葉を変えれば、巡りあわせ、と言っていいでしょう。
できることは 100% やっていくのは当たり前ですが、決まる時は案外あっさり決まり、決まらないときはなかなか決まるものではないです。
公募ってのは本当に生き物なんだなあと思います。
コントロールできない要素ばかりな以上、とにかく出せるものは全部出して、巡り合わせが巡ってくるのを待つ、ということしかできないんじゃないでしょうか。
2 度目の公募当選、本当に運がいいなと感じております。
出身研究室の色を消す
アカデミックポストについている研究者は、だいたい何か所くらいの研究室に在籍した経験があるのでしょうか。
東大や京大では、生え抜きの先生が多いんじゃないかなー、という偏見から、地方の大学を調べてみます。
調べがつかない先生はそこまで調べてませんし、公表されてる経歴からだいたい、って程度の数字です。
・1 箇所 3 名
・2 箇所 3 名
・3 箇所 3 名
・5 箇所 1 名
・7 箇所 1 名
平均すると、2.73 箇所、つまり、だいたい助教になるまでに 2、3 箇所くらいの研究室を経験しているものだ、ということになります。
教授になると、それにプラス 1 くらいになるんじゃないでしょうか。
平均的には、
って流れなんでしょうね。
身の回りの人を見ても、自分の経験と照らし合わせても、妥当な感じがします。
そこで気になるのが、出身研究室の色合いがどうなってるのか、ってところです。
個人的には、できるだけ色々なことをしたい、知らないこともやってみたい、って気持ちもありましたし、今までやってきたことでまだやるべきところが残っている部分にもこだわりはありました。
ポスドクになったとき、今までとは違うことをやりたいです、って大ボスに言ったところ、
「最近は就職に論文数がいるから、今はまだ自分のやってきた分野から動かず論文数を稼ぎなさい」
って言われました。
なるほど、すごく納得できる話です。
ただ、世の中を変える面白い研究をしてやるぜ! という気概がある人にはまた違う考えがいいような気がします。
昔読んだ本に、なるべくはやく出身研究室の色を消せ、というのがありました。
学位をとるまで研究を突き詰めたら、次はまったく違う分野に飛び込みなさい、と。
そして出身研究室の色をできるだけはやく消しなさい、と。
そして身についた新しい研究分野と、出身研究室の分野を融合させたような新しい研究を開拓しなさい、と。
それができて初めて、変えのきかない研究者になれるんだ、と。
なるほどー、と思ったのを覚えております。
世の助教はだいたい 3 箇所目くらいの職場です。
そろそろオリジナルな研究者になってくるころです。
全く新しい研究を広げて、教授への道へ突き進んでほしいところです。
嫌気性菌の培養、ストック
なんか思い立って嫌気性菌の培養を始めました。
超好熱性アーキア、Thermococcus kodakaraensis ってやつです。
でもまあ菌でしょ? バイ菌でしょ? 大腸菌みたいなもんでしょ?」
って、思う方は多いと思いますが、実は全然違うんです。
生物を大まかにわけると、
・真核生物
・真正細菌
・アーキア
って感じに 3 ドメインに分かれます。
そのくらい、細菌とは違うんですよ。
で、こいつは 60-95 度くらいで生きるやつで、さらに嫌気性なんです。
空気に触れるとダメなやつ。
嫌気性菌の培養なんてしたこともなく、聞ける相手もいなかったので、なんかいろいろ試してみました。
しかし、この菌の大御所は京大系で、いまは立命館大に移られている先生で、その方とつながりのある方なら、もっとばっちりした手法をご存じなのだろうなと思います。
こんなエントリ見たら一笑にふされるだろうし恥ずかしい。。。
しかしまあ、私のような弱小研究者のために、私のチャレンジの経緯を少しだけ紹介して、ノウハウない人のためのコダカラ培養講座とします。
とりあえず、アネロパックです。
こいつを袋に入れて、培地と一緒に密閉すると、酸素を吸いこんでくれて嫌気状態になります。
プレートはそうだろうけど、液体培地でもいけるのかなー、と思って試したら、案外いけました。
培地 50 ml 程度で試したんですが、ばっちり増えましたよ。
しかし、ファルコンチューブのような細長い形状では増えず、径の大きくて液体培地と空気の触れる表面積の多そうな容器でのみ増えました。
ふむ。
あとは、グリセロールストックができるかどうかなんだけども、、、
これができないと保存できない。
嫌気状態で保存しなきゃ死ぬのか?
と思って、グリカル作りました。
1、普通に空気中で培地をとって、そこに 15% グリセロールをいれて -80 度でストック。
2、普通に空気中で集菌して、培地を捨てて GTE buffer に置換して懸濁し、15% グリセロールを入れて -80 度でストック。
そして、それらを培地に移して嫌気培養すると、、、
2で増えました。
1で増えず。
ほほう。
そうなのか。
そうなのね。
長期で保存するとどうなるかはわかりませんが、とりあえず培養と保存はこれでいけることがわかりました。
こいつは培地が中性付近なのでいけるような気がします。
好酸性菌なんかだと、プロトンを細胞外にどんどん排出し続けるポンプがとまると細胞内まで酸性になって死んじゃうらしく。
普通に凍らせるだけじゃポンプが止まって死滅するって話も聞いたことがあります。
酸性条件で培養する菌なら気を付けなければならないですねー。
嫌気性菌をノウハウないくせに培養してみようと思った方はぜひ参考にしてください。
日本の雑誌の評価
日本人がノーベル賞受賞しましたね。
大変おめでたい話です。
受賞された赤崎先生は、
「はやりの研究にこだわらない。自分のやりたいことをやる。それが一番だと思う。仮になかなか結果が出なくても、やり続けることができると思う。」
とおっしゃっているそうで、大変ありがたいお言葉だなと思いました。
なかなか成果が出なくとも、いつか成果を出せるようにやりたいことをやっていきます!
さて、日本人科学者が世界で活躍してるだけではなく、日本の雑誌も評価をあげている、というお話。
日本生化学会に入っている人なら知っているかもしれませんが、Journal of Biochemistry のインパクトファクターが 3 を超えたそうです。
3.073 です。
Journal of Biochemistry、通称 JB ですが、日本生化学会が主宰している英文論文誌で、オックスフォードジャーナル発行です。
日本生化学会の主宰なので、投稿者はやはり日本人が多いのですが、海外からの投稿もそれなりに増えてきているようで、どんどん重要度の高い論文が載るようになってきているのでしょう
2013 年 3.073
2012 年 2.719
2011 年 2.371
という推移だそうで、目覚ましい進歩ですね。
いわゆるトップジャーナルというと、CNS や Nature 姉妹紙、PNAS なんかがイメージされますが、それには全然届かないけど、まあまあ恥ずかしくない雑誌だよね、というとインパクトファクターが 3 を超えているかどうか、というのがひとつの目安になっているような印象を受けます。
(もちろんインパクトファクターだけで評価はできないですけどね)
なので、JB については、日本発で世界に胸を張れる雑誌がまたひとつ誕生した、って言えるのでしょうね。
これはおめでたい話です。
あとはこれが下がらないように祈るばかりです。
そうすると、過去に出した僕の JB 論文も、それなりにすごく見えてくるような?
さて、インパクトファクター云々いってるひまなんかじゃなく、はやく論文を出さないといけません。
かつて、嫁が院生だっときに嫁がやっていた仕事で、やり残した仕事がありました。
通説とは違う結果を嫁が出していたので、確定させて証明しちゃえば、ちょっと大発見かも、と期待していたのですが、何度やっても通説通りの結果が出て、嫁の実験はなんだったんだ、と思っている昨今です。
新規性を出すために学生に新しい酵素に取り掛からせているところなので、そっちに期待しましょう。
と、思っていたら、かつての研究室とコラボっていた先生から連絡があり、僕も少しお手伝いした内容の仕事を投稿するので、共著に入ってくださいと言われました。
アウトプットが止まっていたので大変ありがたいお話でした。
無事にアクセプトされることを祈って。
僕も近々必ず出します!